災害ボランティア
5年前の九州北部豪雨での八女市の被害は惨憺たる状況で
テレビで流される映像にいても立ってもいられなくなり
ボランティア活動をしました。
・
先日5日の記録的豪雨で大きな被害のあった
朝倉市、東峰村、日田市 等々。
今回は5年前の被害よりもかなり酷い状況になっているようで
再びボランティア活動に行ってきました。
・
・
Facebookで情報を確認すると
日田市大鶴エリアがサテライトを開設したばかりで
参加人数が少なそうなので
そちらへ向かいました。
・
配属されたのは90才近いお婆さん独り暮らしのお宅。
床下浸水ではありますが床下に1cm程度の
水を含んだ泥が堆積していました。
このまま放っておくととんでもない悪臭を放つようになるので
全てこそぎ取ってしまわなければなりません。
この床下に溜まった水を含んだ泥の搬出は
想像以上に大変な作業です。
被災された各住宅で建設年代や工法が違うので
5年前の経験もあまり役立ちません。
・
このお宅は大掛かりな増築を2度行っているようで
40年前くらいに建設されたと思われる母屋が
床高70cm程度とやや高めの布基礎(土間は土)で
その奥が現在一般的によく施工される床高60cm程度のベタ基礎。
更に奥に50cm程度とかなり低めに施工されたベタ基礎。
・
15名程度の即席チームの内
ヘルメットとヘッドライトを携帯して参加しているのは
自分を含めて2名。
必然的に床下に潜る担当にならざるを得ない状況でした。
・
布基礎の部分は泥を掻き出すだけ。
床高も膝を立てて這っていけるので
まぁまぁ・・・
・
その奥は自衛隊で言うところの
第3ほふくか第4ほふくでないと作業できない状況。
それでも片肘をついて何とか作業できました。
この床に潜った時点で
上から下まで泥まみれのグチョグチョ状態。
当然パンツも・・・
しかしこの日は湿度が高くなかったからなのか
キモチ水に浸かっての作業でもあるので
脱水状態になるほどの汗は出ません。
・
・
問題はこの後。
床下が極端に低く何とか前進できるものの
後退するのが大変です。
肩肘もつけないので妙な体勢での作業が続きます。
・
残りユニットバス下のみのところで
タイムアップとなってしまいました。
・
連日の猛暑のため熱中症発症者が多く
作業時間は10時から15時までで
20分の作業につき20分の休憩を取るよう
厳しく指示されていました。
・
ユニットバス下のみ残った作業は
翌日のボランティアへ引き継ぐことになりました。
・
・
・
豪雨災害のボランティアを経験して思うこと。
これだけ全国各地で水害が起こる現代において
また設計に携わるものとして
床下の工法を真剣に検討する時期に来ているように思われます。
地震に対して
新築は新耐震基準による設計
古い建物も徐々に耐震改修が進みつつありますが
水害に対しては何の議論もされていません。
構造設計者はひとたび地震が起きると
現地へ飛んで行って被害状況を事細かく調査します。
殆どの意匠設計者は当然のことながら?
床下には何の興味も示しません。
実際水害ボランティアに参加していて設計業の方に
お目にかかったことがありません。
工務店等工事に携われる方は
結構多くお目に掛かりますが
その話しをしてもピンときていないようです。
今後床下浸水等の被害は
かなりの確率で発生すると自分は思っています。
・
どのように廻りを巻き込んでいったら良いのでしょう???
・
・
・
帰路に着いたとたん
普段動かすことのない色んなところが痛くなり
2日過ぎた今日も上半身が酷い筋肉痛に悩まされています。
いつもしているストレッチが全く通用しません。
床下恐るべし・・・
・
・
・