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災害ボランティア

2017年07月18日

5年前の九州北部豪雨での八女市の被害は惨憺たる状況で

テレビで流される映像にいても立ってもいられなくなり

ボランティア活動をしました。

先日5日の記録的豪雨で大きな被害のあった

朝倉市、東峰村、日田市 等々。

今回は5年前の被害よりもかなり酷い状況になっているようで

再びボランティア活動に行ってきました。

Facebookで情報を確認すると

日田市大鶴エリアがサテライトを開設したばかりで

参加人数が少なそうなので

そちらへ向かいました。

配属されたのは90才近いお婆さん独り暮らしのお宅。

床下浸水ではありますが床下に1cm程度の

水を含んだ泥が堆積していました。

このまま放っておくととんでもない悪臭を放つようになるので

全てこそぎ取ってしまわなければなりません。

この床下に溜まった水を含んだ泥の搬出は

想像以上に大変な作業です。

被災された各住宅で建設年代や工法が違うので

5年前の経験もあまり役立ちません。

このお宅は大掛かりな増築を2度行っているようで

40年前くらいに建設されたと思われる母屋が

床高70cm程度とやや高めの布基礎(土間は土)で

その奥が現在一般的によく施工される床高60cm程度のベタ基礎。

更に奥に50cm程度とかなり低めに施工されたベタ基礎。

15名程度の即席チームの内

ヘルメットとヘッドライトを携帯して参加しているのは

自分を含めて2名。

必然的に床下に潜る担当にならざるを得ない状況でした。

布基礎の部分は泥を掻き出すだけ。

床高も膝を立てて這っていけるので

まぁまぁ・・・

その奥は自衛隊で言うところの

第3ほふくか第4ほふくでないと作業できない状況。

それでも片肘をついて何とか作業できました。

この床に潜った時点で

上から下まで泥まみれのグチョグチョ状態。

当然パンツも・・・

しかしこの日は湿度が高くなかったからなのか

キモチ水に浸かっての作業でもあるので

脱水状態になるほどの汗は出ません。

問題はこの後。

床下が極端に低く何とか前進できるものの

後退するのが大変です。

肩肘もつけないので妙な体勢での作業が続きます。

残りユニットバス下のみのところで

タイムアップとなってしまいました。

連日の猛暑のため熱中症発症者が多く

作業時間は10時から15時までで

20分の作業につき20分の休憩を取るよう

厳しく指示されていました。

ユニットバス下のみ残った作業は

翌日のボランティアへ引き継ぐことになりました。

豪雨災害のボランティアを経験して思うこと。

これだけ全国各地で水害が起こる現代において

また設計に携わるものとして

床下の工法を真剣に検討する時期に来ているように思われます。

地震に対して

新築は新耐震基準による設計

古い建物も徐々に耐震改修が進みつつありますが

水害に対しては何の議論もされていません。

構造設計者はひとたび地震が起きると

現地へ飛んで行って被害状況を事細かく調査します。

殆どの意匠設計者は当然のことながら?

床下には何の興味も示しません。

実際水害ボランティアに参加していて設計業の方に

お目にかかったことがありません。

工務店等工事に携われる方は

結構多くお目に掛かりますが

その話しをしてもピンときていないようです。

今後床下浸水等の被害は

かなりの確率で発生すると自分は思っています。

どのように廻りを巻き込んでいったら良いのでしょう???

帰路に着いたとたん

普段動かすことのない色んなところが痛くなり

2日過ぎた今日も上半身が酷い筋肉痛に悩まされています。

いつもしているストレッチが全く通用しません。

床下恐るべし・・・