縁(えん)
グランドピアノの似合う空間。塾講師をしているクライアントからアジアンリゾートを感じることの出来る空間を提供して欲しいという要望に応えた物件。
外観:この建物最大の魅力である長さ約20mの濡れ縁。アプローチの階段を上がった先に突如現れるこの空間に、このお宅をはじめて訪ねてこられた方全員が驚かれるそうだ。また靴を何処で脱いだらよいか分からず、訪ねられることもしばしばあるとのこと。狙い通り。。。アジアンリゾートというイメージを自分なりに噛みくだき実現した空間である。この濡れ縁は夏の日差しを遮るだけでなく、バーベキューなどの集いの空間になったり雨の日の物干し場と多岐にわたり活躍している。
内部:塾の生徒達が遊びに訪れたり、茶道の仲間が集ったり、グランドピアノを囲んで気心知れた友人達と集える広間が欲しいということで「集い」と「家族」という大きく二つの空間に分けたプランニング。多くの人が集っていても家族のプライバシーは守れるよう検討した結果、出来上がった間取りである。仕上材も網代風の材料を使用するなどして演出を計っている。また家の使い方や家族構成を考慮して床暖房を布設している。
竣工後:竣工して10年目の今年、久しぶりに訪問をした。
しっかりと手を入れて下さっていて、その経過を目にするととても嬉しく思う。
この家の最大の魅力である濡れ縁が様々なシーンで活躍をしていること、床暖房を布設したことでとても快適に冬を過ごせていることなど、嬉しい言葉が多く並んだ。
その反面ダメ出しもされた。濡れ縁が屋根より飛び出ていることで日当たりの悪い箇所が腐り始めていた。要反省。。。
